ニホンウナギ 故郷はマリアナ諸島西側
太平洋のマリアナ諸島西側にニホンウナギの産卵場所があることを、東京大海洋研究所の塚本勝巳教授(海洋生物学)のグループが突き止めた。世界に十八種類あるウナギの中で、産卵場所が具体的に特定されたのは初めて。一九三〇年代以降、大きな謎だったニホンウナギの産卵場所の問題に終止符を打つ成果で、二十三日発行の英国の科学誌「ネイチャー」に掲載される。 塚本教授らは昨年六月、学術研究船「白鳳丸」に乗船して同海域でふ化後数日のウナギの稚魚数百匹を採集した。ふ化直後の稚魚を大量にとらえたのは世界で初めてで、従来のプランクトン捕獲用のネットを改良して一年目の成果だった。まだ目や口もないふ化後わずか二日の稚魚も含まれていた。 今回の採集地点はグアム島の北西約二百キロ付近にある「スルガ海山」のさらに西約百キロ。潮の流れから逆算すると、稚魚はこの海山近くで誕生し、数日間、漂って採集地点に来た可能性が高い。 今回の成果で、スルガ海山付近でふ化した稚魚が、成長しながら北赤道海流と黒潮に乗って約三千キロ離れた日本へやってくるルートが明らかになった。同グループは「今後、まだ採集されていない卵を採集し、産卵環境や条件を調べ、ウナギの養殖などに役立てたい」と話している。 (メモ)ニホンウナギ 日本、台湾、韓国、中国など東アジア沿岸に広く分布する温帯性の回遊魚。かば焼きなどにして食べる。産卵期は夏ごろで、新月の日の前後に産卵するという説がある。ふ化した仔魚(しぎょ)は海流に乗って移動、日本沿岸にたどり着くころにはシラスウナギに姿を変えている。今回見つかったのは、ふ化直後の「プレレプトセファルス」と呼ばれる段階の仔魚。河川や湖など淡水で5−10年過ごした後、産卵のため再び海に向かうとされる。 |